道中の体験
投稿者:Don (3)
短編
2021/07/02
12:44
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「もちろん違う。足が消えていた」
「目的地まで行きたかったので、怖がらせない様言わなかった」
との事でした。
居ても立っても居られなかなり、アクセルに力を込め、集落を抜けようとした時、車の左手に大きな屋敷が見えて来ました。
一段高い場所に建っており、2階建てでした。
そこまで古い様には見えませんでしたが、建物の大きさといい、敷地や塀といい、この集落の名士ではないかと想像出来ました。
私は気にせず車で通り過ぎましたが、通り過ぎてから知人が口を開きました。
「あの大きな家、黒いモヤがかかっている‥‥」
そのあと、無事に帰宅することが出来ましたが、当初の目的は達成できずじまいでした。
今となっては、その時の目的地の情報はネットですぐに出てきます。
しかしながら、その手前の集落の怪異の情報は全くありません。
人のいない山や、慰霊碑などはそれだけで不気味ですし、人気がなければ尚更です。
しかしながら、その時の集落の様に人の営みがある場所にこそ、良いものも悪いものも溜まるのではないかと考えさせられる出来事でした。
お読みいただきありがとうございました。
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