バイト先の出来事
投稿者:Don (3)
私の学生時代の出来事です。
下宿をしていた私はとある飲食店でアルバイトをしておりました。そのお店の営業時間は夜中の3時まででした。
そのお店のバイトの多くは私同様下宿生で、お盆の時期になると皆帰省をします。そうすると、バイトが手薄になることから私はその穴埋めにお盆時のシフトに入ることが多かったのです。
そのお店は、夜のシフトは正社員1人とアルバイト1〜2人の体制が多かったのですが、学生街だったことからお盆時期は暇になります。
ですので、お盆のシフトは正社員1人とアルバイト1人が基本でした。
お店の作りはと言いますと、3軒〜4軒ほど並んだ民家の真ん中の家の1階部分を店舗に改装し、利用していました。賃貸物件との事でした。
2階部分は店舗利用はしていませんでしたが、備品などを置く物置でした。
その2階には、持ち主の物なのかわかりませんが、持ち主の親族らしき写真が飾られていたり、お仏壇が置かれておりました。
備品を取りに行く時は本当に不気味であったと記憶しております。
その出来事は、忘れもしない、お盆前の8月13日の深夜のバイト中に起こりました。
閉店時間になり、わたしは店舗入口を開け放し、軒下の電灯を消灯しました。
店舗入口には人感センサーが付いており、お客さんが入り口に立つと『ピンポ〜ン』と音が鳴る仕組みになっておりました。当然私が入り口で作業をしている間にもセンサーが作動しておりました。
入り口から戻った私は厨房の床掃除をし、社員の方は厨房奥で掃除をしておりました。
その時です。
『ピンポ〜ン』
お客さんが来たのかと思い、閉店しているにも関わらず、「いらっしゃいませ!」と反射的に声を出しながら、に入り口付近を見ました。
しかし誰もいません。
店舗入り口は完全に消灯しており、また時間も午前3時という事で、人通りはありません。
入り口の方を見ていると奥から正社員の方が
「お客さん?」
と言いながらやってきました。
私は「いえ、違います‥‥」
と答えました。
(‥‥では一体なぜ音が鳴ったのか?)
と二人が顔を見合わせ、沈黙した瞬間、
店舗の奥から
『ガタン!』
と、何かを揺らした様な、落とした様な音が鳴り響きました。
二人とも店舗奥をじっと見つめましたが、例えば野良猫が出て来た、などは無く、また静まり返りました。
二人とも血の気が引き、大急ぎで掃除を終えてその日を終えました。
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