そうして、子供たちなりに一生懸命、準備を進めていきました。
ひと通り準備が終わると、夕方まではまだ時間がありました。
そのため、みんなでいつもどおり遊んで過ごしていたそうです。
ところが。
午後四時を少し過ぎた頃。
キャンプの準備を再開しようと、みんなで公園からお寺へ戻り始めたときのことでした。
突然、B君が声を上げたそうです。
「あっ! 俺、帰るわ!」
あまりにも唐突な言葉でした。
池谷さんたちが驚いている間に、B君は一人、公園の出口へ向かって歩き始めました。
「えっ? ちょっと待てよ!」
池谷さんが慌てて声をかけます。
「何だよ、帰るって!」
するとB君は、こちらを振り返ることもなく、
「あー、ごめ~ん!」
そう返事をしただけで、そのまま歩き続けたそうです。
「えっ、何なの、あいつ?」
「どうしたんだよ?」
ほかの友達も、突然のことに戸惑っていました。
池谷さん自身も、何が起きているのか分かりません。
「いや、俺にも分からないよ」
そう答えるしかなかったそうです。
その間にも、B君はどんどん遠ざかっていきました。
公園の出口まで来ると、すぐに道を曲がり、そのまま歩いていきます。
「おーい!」
「Bー!」
池谷さんたちは、何度か声をかけたそうです。
しかし、B君は一度も振り返りません。
そのまま、道の向こうへ姿を消してしまいました。
あまりにも突然の出来事に、池谷さんたちは、しばらく呆然としていたそうです。
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