今回のお話は、小川さんという仮名の、二十代半ばから後半くらいの女性から聞かせてもらったものです。
小川さんは二十代前半の頃、キャバクラに勤めていたことがありました。
今回のお話は、その当時にお店へ来ていたお客さんから聞かせてもらった体験談だそうです。
そのお客さんというのが、池谷さんという仮名の男性。
見た感じでは五十代半ばくらいの方だったそうです。
池谷さんは、会社の飲み会の二次会で、同僚数人と一緒にお店を訪れました。
最初のうちは、仕事の話や他愛もない雑談で盛り上がっていたそうなのですが、いつの間にか話題は怖い話、いわゆる怪談へと移っていきました。
誰かが心霊体験を話せば、別の誰かが自分の体験談を話す。
そんなふうに盛り上がる中、池谷さんだけは、あまり話に乗ってこなかったそうです。
それに気づいた小川さんが、隣に座っていた池谷さんに声をかけました。
「池谷さんって、怖い話とか信じないんですか?」
すると池谷さんは、少し笑いながら答えたそうです。
「いや、全部が嘘だとは思わないけどね。大抵のことは、気のせいだったり、思い込みだったりするんじゃないかな」
どうやら池谷さんは、昔からそういう考え方だったようです。
その話を聞いていた同僚の一人が、こんなことを尋ねました。
「じゃあ、池谷さんは今まで、不思議な体験とか怖い体験をしたことはないんですか?」
すると池谷さんは、少し考えるような素振りを見せたあと、
「いや……一度だけ、妙な体験をしたことがあるよ」
そう答えたそうです。
さらに、こう続けました。
「あれだけは、今でも理由が分からないんだよな。俺一人なら見間違いで済ませられるんだけど、周りにいた友達も同じものを見ていたからね」
その言葉に、同僚たちは興味を持ちました。
「えっ、どんな体験なんですか?」
そう尋ねられ、池谷さんは昔の話を始めたそうです。
これは、池谷さんが小学校五年生か六年生だった頃の話です。
*
夏休みに入って、まだ間もない頃。
池谷さんは、仲の良かった四人の友達と遊んでいました。
ここでは仮に、A君、B君、C君、D君と呼ぶことにします。
その日、誰が言い出したのかは覚えていないそうですが、話題は夏休みの予定になったそうです。























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