来る途中で見えていた山の斜面の防護壁に見えていたものは、階段状にびっしりと整備された墓石だった、
墓石はまるで段々畑に整備されていると言えばいいだろうか、1メートルほどの高さの間隔で10数段ほどあって、一番上の段へ行くには、かなりの段数の階段を登らないといけない。
墓地が山のカーブに沿って整備されていて、ここからはその端から端まで一体何メートルあるのか見当も付かなかったが、見える範囲だけでも50メートル以上あるから、100メートル以上あってもおかしくない規模だった。
墓石は全て同じ形で、一つの大きさが縦横それぞれ1メートルもないから台座も含めてもこどもの背丈より小さく、なんらかの理由で決まった規格物で揃えているようだ。
少し妙に感じたのは、この墓石群の周りだけはきちんと整備されていて、雑草などはほとんどなかったことだ。
一つ一つ墓石をよく見ると、お供え物や線香を上げたものもあったから、このお盆の時期にお墓参りに来る人がいるのだろう。
この墓地も含め、駐車場と公衆トイレは、きっとそのために整備されているのだ。
奥の方まで行って見てみようと思ったが、日も沈みかけて少し暗くなってきたこともあり、もう引き返すことにした。
来た道を引き返してしばらく走ると、来るときには気が付かなかったが、舗装されていると思っていた道路は劣化していて、落ち葉などもあり、舗装しているところとそうでない所の境目が曖昧だった。
そのおよそ境目の所の周辺を見回すと、右側に木々に隠れるようにフェンスが整備してあり、その奥には道路が整備してあるのがわかった。
どうやらその場所はビュー機能で見落としていたらしい。
車を停めてフェンスをよく見てみると、フェンスには出入りができるドアが設置してあり、厳重に鍵がかかっていた。
注意書きの看板を読んでみると「展望台関係者以外立ち入り禁止」とあった。
(なるほど、ここは展望台の関係者専用道路だったのか)
結局、この裏ルートからは展望台へは行けないのだ。
もっとビュー機能とかを詳しく見ておけば等と後悔したが、諦めてさっき通った住宅街へと向かった。
廃墟と化した寺と幼稚園を通り過ぎて住宅街に差し掛かると、道路の左右にある家の様子がどうもおかしい。
左右合わせて10数件の家の前をゆっくり通ったのだが、明らかに来た時とは様子が違う。
全ての家の玄関先や門扉に子供が立っていて、無表情でこちらに向けて手を振っているのだ。
一軒残らず10数件の全ての家の前で、だ。
家によって一人だったり二人だったり、男の子だったり女の子だったり、3歳くらいの子もいれば10歳くらいの子もいる。
その、およそ20人の子供全員が顔だけこちらを追いかけて無表情で手を振っている。
(こんなへんぴな住宅街にこんな大勢の子供がいるものなのか…?それともどこからか集まってきたのか…?どっちにしても何かおかしいだろう…しかも無表情だ…。)
その雰囲気を不気味に思い、子供の方を見ないようにしていたが、その中の何人かの子供と目が合っしまった。
そのせいか、心拍数が高まったというか、妙な胸騒ぎというか、一度そう感じてしまうと、とにかくここから早く出ていかないといけないと思った。
しかし、急ぎたいという気持ちと、この住宅街では慎重にゆっくり走らないといけないという気持ちがせめぎあいながら運転していると、前方に犬の散歩をしている男性を見つけた。
さっきここを通った時の男性だった。
「ち、ちょっとすいません、こ、ここって何が…一体何なんですか…?」
車を男性のそばに停めて後ろから声を掛けると、男性は振り向いて
「だから手を振ったらいけないと言ったでしょ」

























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