「私なんかでいいのか」
という、少しの悲しさもあった。
それでも、私もその人をある程度慕っていた。
だからなのか、ある日、なんとなくそのお婆さんに電話しようと思った。
本当に唐突だった。
理由もなかった。
私は電話をかけた。
「プルルルルルル……プルルルル……」
なかなか出ないな、と思った。
しばらくして、電話が繋がった。
「あ、もしもし! 私です!」
すると、
「あー、どちら様でしょうか?」
男の人の声だった。
私は少しびっくりしながら、
「お婆さん、いませんか? それとも、お孫さんですか?」
そう聞いた。
すると男の人は、
「うちの祖母は、昨年亡くなっていますよ。祖母が生前使っていたもので、古いガラケーだったから、珍しく取っておいたんですよ。それに、君だれ? 迷惑電話?」
と言った。
正直、信じられなかった。
「すみません。間違えました」
そう言って、すぐに電話を切った。
次の日、私は喫茶店に行き、店員のAさんに話しかけた。
「お婆さん、来てませんか? いつものお婆さんですよ」
するとAさんは、
「来てないよ。それに……」
少し言葉に詰まりながら、
「いつも店に来てくれるけど、独り言がひどいよ」
そう言った。
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