「私を呪ってくれませんか?」
ある日、私はそんなメールを受信していました件名にも、本文にも同じその文言が書かれていました。もちろん、アドレスにも心当たりはありません。
私はオカルトが好きだったので、同じくオカルト好きだったAにその話をしてみました。
「何それ、迷惑メールか?」
「わからん、急に届いたんだ」
「面白そうだからさ、試しに返してみろよ」
Aの薦めもあり、私はそのメールに返信してみることにしました。
『あなたを呪いたいのです。そのために名前や住所を教えてもらませんか?』
一週間後、そのメールの返信が来ました。
『愛知県○○市△△町 高山S子です。ぜひ呪ってください』
その内容にゾッとしました。いくら個人メールとはいえ、住所や名前をこうも細かに、それも呪われるために書くなんて、と。
「……どうする?」
俺はまたAに相談しました。
「じゃあ、俺が試しに呪ってみるよ。面白そうだからさ!」
Aはこういう時、妙に思い切りのいいところがあります。それに、こうなってしまっては彼を止めることはできません。昔からそうでした。
「わかった。じゃあ、何で呪うんだよ?」
「まあ安直に、丑の刻参りだろ」
彼はカッカッカと笑っていました。
あくる日のことだった。
「呪ってみたぞ」
Aはそんなふうに話しかけてきた。
「まじでやったのか」
いくら思い切りでいいとはいえ、本当にするとは、と驚いてしまいました。
「お前、あんなの信じてるのか? どうせあんなの、架空の個人情報に決まってんだろ?」
思えばそうです。普通の人間が自分の情報を顔も知らない相手に教えるはずがありません。
「なら、何にも起こんないってことか?」
「絶対そうだぞ。だからさ、試しに全身に釘を打ってみたんだ。何か起こったら面白いよな」
「やめろよ、悪趣味だな」























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