手も。
足も。
止まらない。
恐怖なのか。
緊張なのか。
自分でも分からない。
ただ先輩さんの顔を見るだけで震えが出る。
そんな状態が二週間続いた。
そしてある日。
仕事中に気分が悪くなった。
立てなくなった。
そのまま病院へ運ばれた。
会社は休職を勧めてくれた。
一ヶ月休んでいい。
ゆっくり治療してほしい。
上司はそう言ってくれた。
だが山下さんは気付いてしまった。
会社そのものが怖いのではない。
先輩さんを思い出すことが怖いのだ。
顔を思い浮かべるだけで手が震える。
胃が締め付けられる。
吐き気が込み上げる。
だから思った。
もう無理だ。
そして退職した。
アパートも退去した。
仕事を辞めれば家賃も払えない。
それに、もう一人で暮らす自信もなかった。
手続きのため、最後に会社へ行った時。
山下さんは先輩さんへ挨拶をした。
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