“わ”
“け”
“ま”
“え”
分け前。
つまり、エンジェル様は妹を助けるために分け前をよこせと言っているのです。
エンジェル様と言うからには、私たちが問いかけているのは優しく高潔な天使様だと思っていたのです。
しかし、この天使様は私たちに分け前を要求してきました。
天使様と言うのは私が思っていたほど高潔ではないのか?
それとも、目の前の“コレ”は天使様ではないナニカなのか…?
私は心の底からゾッとしました。
「分け前は渡す!私はどうなってもいいから妹を助けて!」
Aちゃんは絞り出すように叫びました。
自分はどうなってもいいから妹を助けたいという気持ちは立派です。
でも、その分け前をどこから取り立てるかは分からないじゃないですか?
勝手にそんな約束されて私は顔面蒼白、チラリとBちゃんを見ると彼女も信じられないと言った表情でした。
そうこうしているとエンジェル様は。
“はい”
そう示しました。
「妹は助かりますか!?」
“はい”
「やった!!」
Aちゃんは心底喜んでいました。
その後、お帰りいただく手順を踏むと、エンジェル様はあっけなく帰って行きました。
よくなかなか帰らなくて…みたいな話も聞いていたのですが、拍子抜けするほどあっさりでした。
Aちゃんに文句の一つも言ってやろうと思っていたのですが、あまりにも喜ぶAちゃんを前に私もBちゃんも何も言えませんでした。
そうして、分け前がなんなのか分からないまま、時だけが過ぎていきました。
結果として妹ちゃんは、身体の一部が欠損して産まれて来ました。



























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