定かでない妙な空気が流れる。
その時ふと若手社員が思い出したように言う。
「そうだ。小暮さんって結婚指輪してませんでしたっけ?」
それについては先輩は同意を避けた。
単純に小暮に興味なく記憶に留めようとも
してない風にみえる。
それを聞いた職場の社員たちは集まりだす。
皆、小暮のことを聞きたくて仕方なかったのだ。
「確かに結婚指輪してたわね。ちゃちなやつでちょっと怪しいけど」
「でも奥さんに怒られるから提示で帰るとか言ってたような……」
「奥さん? 彼女じゃなかったっけ。籍は入れたとは聞いてないぞ」
「でも別れたんでしょ。そんなこと風の噂で聞いたわ」
「え、それいつだよ?」
「うーん。4、5年前?」
「そんくらいかな。あの時はもう少し明るい感じだったよね」
「やはり別れが原因かしらね」
なにやら面白い話をしているなと課長まで
首を突っ込んできた。
「おかしいな。小暮は扶養家族がいると人事に提出してたぞ」
「それじゃあ別れてないってことですか?」
「そんなこともないよなぁ。小暮には聞いておくとして……」
課長はニヤニヤしている。
「それより小暮ってな。独身貴族として夜の店に出入りしてるとか聞いたぞ」
マジで! 一同が叫ぶ。
「小暮くんは結構遊び好きなんだよ。夜のお店の子を誘ってるとか聞いたよ」
「ウソ! 信じられない!」
「口説く様子が想像できない」
「一緒にキャバクラ行ったことあるんだよ。ノリノリでしゃべってたぞ」
「課長、それ本当ですか?」
























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