そんなことを思っていたらしい。
「まあ、別にそれだけなんだけど。」
友人はそう言った。
だが俺は妙に引っかかった。
なぜなら、隣の人は大学とも駅とも反対方向に住んでいたからだ。
気になった俺は、当時のアパートを管理していた会社に電話してみた。
もちろん個人情報は教えてもらえないと思っていた。
実際その通りだった。
だが雑談の流れで、担当者が一言漏らした。
「ああ、あの方ですか。」
「長かったですねえ。」
「10年以上住んでましたから。」
10年。
少し長すぎる気がした。
社会人でもない様子だった。
毎日決まった時間に出勤する姿も見たことがない。
それから数日。
なぜか急に気になってしまった。
SNSで名前も知らない相手を探すのは無理だと思ったが、大学時代の写真を見返していた。
すると、ある写真で手が止まった。
学園祭の写真だった。
後ろに人混みが写っている。
その中に隣の人がいた。
偶然だと思った。
だが次の写真。
サークルの集合写真。
遠くに立っている。
さらに別の日。
駅前。
大学近くのラーメン屋。
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