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ヒトコワ

ドライアイスさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

ピンポンの間隔
短編 2026/06/11 20:22 348view

それから数日、怖くてインターホンの配線を自分でブチ抜きました。これで音は鳴らなくなります。
これで解決した、そう思いたかった。

配線を切ってから3日後の夜です。
また11時過ぎでした。

音は鳴りません。配線を切ったんだから当然です。
でも、部屋の中が妙に静かだからこそ、聞こえてしまったんです。

玄関のほうから。

「カチッ」

小さな、プラスチックが弾けるような音がしました。

「カチッ」

……「カチッ」

インターホンの外のボタンが、押し込まれて、戻る音でした。
音は鳴らなくても、外の「誰か」は、毎晩同じ時間にボタンを押し続けていたんです。

私は布団の中でガタガタ震えながら、朝が来るのを待ちました。

翌朝、私は管理会社に連絡して、すぐに引っ越しの手続きをしました。違約金とかどうでもよかったです。
荷物をまとめている時、ふと気になって、玄関のインターホンのボタンを近くでじっくり見てみたんです。

ボタンの表面に、びっしりと細かい傷がついていました。
爪で何度も何度も、執拗に引っ掻いたような、縦方向の細い傷です。

それを見て、私は「あ、これ、人間が指で押してたんじゃないな」と直感しました。

私はすぐにそのマンションを出ました。
あの部屋には、今頃また別の誰かが住んでいると思います。

ただ、一つだけ今でも引っかかっていることがあります。

あのボタン。
「カチッ」と「カチッ」の間の時間が、日を追うごとに、どんどん短くなっていた気がするんです。
最初は1分おきだったのが、最後の方は数秒おきに。

あれ、もし私が引っ越さずにあのまま部屋にいたら、あの音の間隔がゼロになった時、一体どうなっていたんでしょうか。

皆さんも、夜中に身に覚えのない音が聞こえたら、絶対に確認しようとしないでください。
それ、どんどん近づいてきている証拠かもしれませんから。

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