しばらくすると、滝が姿を現した。
その滝の奥、上側には、遠藤の言っていたフェンスが張られている。
『この先立ち入り禁止』の札が大きく掲げられており、苔むしていても遠目からもよく見えた。
ここがいつもの終着点であり、これ以上先に進めない事を意味する。
駿は滝飛沫に目を細めながら、小さく溜息をついた。
辺りをいつも通り捜索するも、相変わらず何も見つからない。
ゴミや釣り糸のクズといった人工物も、まるでないのだ。
それだけ、ここへは人間が普段立ち入らないという事なのだろう。
その時ポツッと頬に何かが当たり上を向くと、大粒の雨が降り出した。
たまらずザックから取り出したレインジャケットを着込み、樹林帯に移動した駿は慌ててタープを張った。
雨がバシバシと容赦なくタープを叩く。
沢の水がみるみると増えていく。
ーーーまいったな、こんなに早く崩れ出すと思わなかった。早く引き返さないとまずい。
そんな事を考えていると、滝の上のフェンスの奥に人影のようなものが見えた。
大雨でよく見えないが、確かに何かがいるのだ。
熊かもしれない、とタープの下で身構えていると、その人影らしきものがもう1つ増えたのである。
そのシルエットは、明らかに熊ではなかった。
だが、人ではないようにも感じた。
では何なのか、得体の知れない恐怖感が駿を襲った。
一方で、光のメッセージが駿の脳裏を過ぎる。
『すごいものを見つけた。』
ーーーまさか、あれと関連してるのかもしれない。
その瞬間、駿は間髪入れずタープはそのままに樹林帯を沿って滝側へと駆け出した。
滝を横目に、あの人影のようなものを見失わないようにチラチラと見ながら、木々を掻き分け滝の方へ進んでいく。
すると、木々の先に岩伝いにかかっている細い梯子が目に飛び込んだ。
随分と古い梯子で、高さは5mはあるだろうか。
駿は構わず梯子に手をかけ登攀した。
上まで登り切ると正面には例のフェンスが聳え立っていた。
どうやらあの滝の上から横一帯にこのフェンスは続いているらしい。
出入り口になっているが鍵がかかっている。
駿は上を向き躊躇いなくフェンスをガシャガシャとよじ登ると、反対側へと降り立った。
























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