「隣に、座ってたんです」
「私が座った瞬間に。まるで、**最初からそこにいたみたいに**」
「そして——今度は、こう囁いたんです」
「『次は、一緒に降りましょうね』」
—
取材後、私は聞いた。
「今も、その女性は——」
彼は頷いた。
「毎晩です。どの駅から乗っても。どの路線でも」
「必ず——**隣に座ります**」
「そして、毎晩——少しずつ、話しかけてきます」
「最初は『次は一緒に降りましょう』」
「昨日は『もうすぐ、あなたの家を教えてください』」
「今日は——」
彼は、震える手でスマートフォンを取り出した。
画面を見せた。
LINEの画面。
見知らぬアカウントからのメッセージ。
アイコンは——女性のシルエット。
メッセージには、こう書かれていた。
**「今日、教えてもらえましたね。ありがとうございます」**
送信時刻は——午後10時47分。
つまり、この取材が始まる13分前。
「でも、私——**住所なんて教えてません**」
彼の目から、涙が一筋流れた。
「教えてないのに——**知ってるんです**」
—
取材を終えて、私は——なぜか、荻窪駅に向かった。
理由はわからない。
ただ、**行かなければならない**と感じた。
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