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不思議体験

ゴンゾウさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

駅のホーム、午前0時12分
長編 2026/02/02 19:21 194view

「でも——まあ、偶然かなって」

彼は、コーヒーを一口飲んだ。手の震えが増していた。

「新宿まで、15分くらいです。私、スマホ見てました。でも——隣の女性、ずっと前を向いてて」

「それだけなら、まだよかったんです」

「でも——**呼吸してないんです**」

「胸が、動かない。15分間、一度も」

「私、確認したくて。チラッと横目で見て」

「そしたら——」

彼の手が、カップを握りしめた。

「その女性——**私を見てたんです**」

「顔は前向いてるのに。目だけ、こっち向いてて」

「そして——**笑ってた**」

私は、何も言えなかった。

「私、次の駅で降りました。中野坂上。本来の降車駅じゃないけど」

「ドアが開いて。逃げるように降りて」

「振り返りました。その女性——まだ座ってて。でも、顔が——**完全にこっち向いてた**」

「電車が発車しました」

「それで——次の電車で、新宿まで行きました」

「でも——」

彼の声が、ほとんど囁きになる。

「その次の日。12月19日。同じ時間。荻窪駅」

「ホームに降りたら——**また、いたんです**」

「同じ場所。同じ姿勢。同じ——**瞬きしない目**」

「私、その日は乗りませんでした。タクシーで帰りました」

「次の日も。その次の日も」

「でも——」

「1週間後。私、勇気出して。また電車乗ったんです」

「彼女、いませんでした」

「ホッとしました。もう終わったって」

「でも——**電車に乗ったら**」

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