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意味怖(意味がわかると怖い話)

御室真代さんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

秘事は睫にあり
短編 2026/02/01 00:04 80view

ほんと、一人暮らしって怖い話の宝庫ですよね。
私にも一つだけあるんです。そんなに怖くないんですけどね。

その当時は家賃の安い部屋で暮らしていました。
薄い布団に、小さなちゃぶ台、小さい頃から愛用してるドラえもんの目覚まし時計。あとはクローゼットに服が少しだけ。

毎朝毎朝、ドラえもんの、「頑張れ、起きろのび太くん!」って声で起きて(笑)
顔洗って歯を磨いて、会社に行く。そんな、質素でありふれた生活でした。

寂しい一人暮らし、心細い気持ちで部屋にいると、やっぱりほんの小さな違和感でも怖くなるもので、カーテンや襖のほんの少しの隙間に怯え、部屋のどこからか聞こえる些細な物音を過敏に恐れました。

一人暮らしではよくあることだと思いますが、寝る前にカーテンや襖を締め切らないと寝れないんです。怖くて。
だから毎晩全部を閉め切って、よし、これで今夜も安心だと、布団から足が出ないようにして寝てましたね。
それでも、朝になるとほんの少し襖が空いていたり、カーテンから射し込む光が眩しかったりするんですよ。

何も一人暮らしで怖いのは何も部屋の中だけではありません。
あの頃無言電話がよくかかってきてたんです。
非通知設定でかかってくるのなら、無視すればいいだけの話でしたが、タチの悪いことに、色々な電話番号でかかってくるんです。
仕事の都合で、未登録の番号からかかってくることも多かったので、無視するにも無視出来ず…。
毎回律儀に電話に出ては、沈黙を聞くことが多かった。
部屋に居ようが、職場に居ようが関係無しにかかってくる無言電話。初めは腹が立ちましたが、だんだん気味が悪くなってきて…。とにかく着信音が怖かったです。
でも、無言電話とは言っても、全く何も聞こえないわけじゃありませんでした。微かに聞こえる息遣い、環境音、酷い時は、聞き取れないくらいの小さな声で、何かをブツブツ呟いている時もあって、不気味さに拍車をかけていました。

そんなある日、ひょんな事から、いつもより1時間早く職場に行かなければならない日がありまして、朝早くから仕事してたんです。

職場についてからしばらくして、また知らない番号から電話がありました。早朝でしたので、いつもの無言電話だろうと思いながらも、やはり無視するわけにはいきません。渋々、電話に出ました。

「もしもし?」

「……………………。」

「い……つ………………あ…………る……」

何かを呟くような声です。
そこまではいつも通りの事で、やっぱりな。と高を括って居たのですが、衝撃的なことに、その日はいつもは聞こえない”ある音”が聞こえたんです。

「…頑張れ、起きろのび太くん!…」

紛れもなく私の目覚ましでした。
そういえば今日はスマホのアラームで起きたから、
ドラえもんの方はいつも通りの時間に鳴るのか。
なんて、高鳴る心臓を他所に、意外にも冷静に分析してしまう自分がいて。
ドラえもんの声に交じって聞こえにくかったけど、呟く声も、相変わらずボソボソ聞こえました。

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