境内を歩き回ったが、特に何も起きない。
拍子抜けするほど静かだった。
「なんだよ、全然怖くねーじゃん」
「ほんとそれ」
最後に鳥居の前で4人で写真を撮った。
笑って、ふざけて、いつも通りの夜だった。
そのまま解散した。
翌日。
俺は撮った写真をグループチャットに送ろうと、写真フォルダを開いた。
……ん?
鳥居の前の写真。
俺、シュウヤ、リョウヘイは普通に写っている。
タイジだけ、顔の向きが記憶と違った。
撮影のときはこっちを向いていたはずなのに、
写真では“鳥居の奥の暗闇”を見ている。
もう一枚。
よく見ると他の3人の影は自然なのに、
タイジの影だけ、鳥居の奥へ吸い込まれるように細く伸びていた。
光の方向からして、ありえない方向だ。
タイジが“奥へ引っ張られている”ようにさえ見えた。
「おい、これ見てくれ」
グループチャットに写真を送ると、すぐにシュウヤから返信が来た。
シュウヤ「これ…タイジ、なんか変じゃね?」
リョウヘイ「いや、酔っぱらってただけでしょ笑」
タイジだけ既読がつかない。
「おい、タイジ寝てんのか?」
既読はつかないまま、数時間が過ぎた。
胸の奥がざわついた。
夕方。
俺のスマホが震えた。
画面を見ると、タイジからだった。
(やっと気づいたか…)
俺は軽い気持ちで通話ボタンを押して
「タイジ?おせーよ~」と電話に出ると、
震える声が聞こえた。
「タイジ…昨日の夕方、帰省途中で事故に遭って…」
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