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心霊

肺病みさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

展望台
長編 2026/01/04 15:51 1,467view
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悲鳴と共に我に帰り、騒然としたその場には警察、救急が駆けつけたが、既に手遅れだった。
後から聞いた話では、会社の借金などで首が回らない状況だったようだ。
残された家族は、奥さんと高校生の娘さんだが奥さんはこの土地での生活が難しくなり、娘さんと共に自宅に火をつけて一家心中を図った。
燃え上がる家屋の中で奥さんだけは助け出されたようだが、精神を病み施設送りとなったと聞く。

展望台はかくして、観光名所から一転して心霊スポットとなり、肝試しをする連中が後を絶たなかった。

話に尾鰭がついて、女性の霊が出るだの行方不明だの…色々なデマが出回った。一方で、それらの話には必ず一つ共通点があった。
それは「黒い影が現れる」だった。

多くの話が作り話やマユツバだが、あの場所に行くと何故か強烈な違和感を感じた時にそちらの方向に目をやると「黒い影」がいるらしい。

宿の主人は、そこで話を止めた。
そして、冷めたコーヒーを一気に飲む。
「だんだんと展望台には人が寄り付かなくなったよ。まぁ仮に肝試しに来たとしても、中の展示室は入れないように施錠されたしな。今じゃ流氷の季節に観光客が少し訪れることもあるよ。」と。

つまり…俺達は意図せずに心霊スポットへ向かったことになる。わざわざ施錠された扉を開いて…?あの扉を開いたのは確か…
宿の主人は伸びをしながら立ち上がり、俺の方を向いて尋ねた。

「お前さ、あの部屋どうやって入った?」
「あと、さっきからお前が言ってる『エリ』って誰だ?ここら辺じゃ最近聞かない名前だな」と。

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