ある夜、ふと机のノートを開いた。
ページの隙間に、細い白い線が入っていた。
それを引っ張ると、薄い紙片がぬるりと抜けた。
まるで何かが“裏から”舐め取ったように、湿っていた。
次の日、松田は学校を休んだ。
担任が「しばらく休むそうだ」とだけ言った。
俺の机の中には、ぐしゃぐしゃに丸まった紙が一枚入っていた。
開いてみると、俺の字でこう書かれていた。
いま、なかからみてる
それ以来、ノートを開くと、ページがところどころ白く欠けている。
インクの跡も、文字の形もなく、
ただ、紙の下のほうが、薄く、しっとりしている。
最近、俺も時々、白い紙を見てると落ち着かなくなる。
授業中、ノートを見つめていると、向こう側に何かが透けて見える気がする。
食べられたあのページの、
“裏側”が。
(了)
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