奇々怪々 お知らせ

心霊

おかか兎さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

鳴いていたのは
短編 2025/11/20 03:18 4,404view
0

だけど体が動かないので、手の主の姿は確認できません。私はその時だけ、体が動かない事に感謝しました。

姿は見えないけれど、その手だけは一定のリズムで、左右にゆっくりと動いています。

その揺れに合わせて、
ミャァ……ミャァ……
と、猫のぬいぐるみが鳴き続けています。

恐怖で気が狂いそうになりながら、なんとか右手を動かそうと必死に力を込めていました。
右側に寝ていたAちゃんを起こしたい…その一心で、必死にもがいていました。

どれくらいもがいていたのか、
どのくらい時間が経ったのか、永遠とも思える時間でした。

その時突然、体が“ふっ”と軽くなり、金縛りが解けたのが、分かりました。

解けた反動で右手が勢いよく動き、隣で寝ていたAちゃんの背中に

バチーーーン!!

と、当たってしまいました。

とても痛かったのか、その勢いでAちゃんは飛びおきました。
私はAちゃんにさっきの出来事の全てを、涙ながらに説明しました。

Aちゃんも私の話しを聞きながら、恐怖で段々と顔が青ざめていくのがわかりました。

「え…?ミィちゃんどこにあるの?」と、
Aちゃんが言います。
そういえば、私の左側にも本棚にも、ミィちゃんの姿が見えません。

恐怖で震えながら私たちは、ミィちゃんを探します。
だけど、いません。本棚にも、床にも、どこにもミィちゃんが居ないのです。

「え…どこ…」

3/4
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。