人生は美しい

ま、ほんまに大変なのはこっからやけどな。

ただでさえアホで不器用なのに、育児なんてまともにこなせるわけないんよ。

そのせいで、親とハチャメチャに喧嘩した。
なんでそんなことも出来ないの？とか、散々な言われようやった。
高校の友達は、私が何も出来なくても支えてくれたのにって、毎日泣いた。

そんで、アホはアホなりに、立派過ぎる、それでいてあまりにも愚かな決断をした。

親に絶縁叩きつけて家出てったんよ。

お母ちゃん、専業主婦してたのに孫のために働き出して、育児も家事も、ほとんどしてくれてたのに。
父ちゃんも、めっちゃ育児家事手伝ってくれててんで？仕事で疲れてるのに。
なんでこんなことしたんかなあ。アホやなぁ。ほんま。

さてさて、こっから若いシンママはどうやって生きていくのか。

まずはお金よね。お金が無いと生きてけない。
でも、アホすぎて働き手なんてそうそう無い。

若い女の子が働くところ無いって言ったらアレしかない。

そう。風俗。

ろくな店じゃなかったけど、働かせてくれて、一生懸命客の相手してたよ。

でも、帝王切開で子供産んでるのがちょっと不味かったな。

お腹に傷があるからって、次第に客離れてった。
それでも必死に働いたよ。生きるためやからな。

ほんま、薄情よな。ちょっとお腹に傷があるだけなのに。

こっちは生きるために体を売ってんのに。
買ってよ。

でもほんまにやばいのは、その間の赤ちゃんね。
ベビーシッターとか、頼むお金ないから、どうしたと思う？

『いい子にしててね。』って言うだけ。あとは放置。
やばいわな。流石に。

夜通し客を取るために必死こいた。
その間、赤ちゃんは放置された。

でもそんな生活長く続くわけが無い。

やっと家に帰えれたと思ったら、赤ちゃんはギャン泣き。
心身ともに疲弊した体に、赤ちゃんの鳴き声は堪える。