幽霊を運んでしまった話
投稿者:檸檬 (6)
私は温泉に入るのが好きで、友達と旅行でいくこともありますがひとりでもよく温泉に入りにあちこちいくのが好きです。
とある温泉旅館へ泊まりで行った時のお話。
その旅館は山の奥にある古い旅館でしたが、天然温泉があり、肌にいいことや健康にいいという温泉地でした。
硫黄の色ににごったお湯の温泉が湧いており、体が芯から温まりました。質の良い温泉に入ると、体温がすぐには下がらす、ずっと温まっていられます。
そうして、温泉からあがり、自分の部屋へ戻った時、私の部屋に人の気配がありました。
旅館の人が布団でもひきに来てくれているものだとばかり思ったので、お礼を言おうと思いましたが、部屋には特にだれもいませんでした。
少しあれ?とは思いましたが、気のせいだったのだと思うことにしました。
そうして、夜、寝ていると、夜中に足音でふと目をしましました。あまりにもうるさくて、どたどたと怒っているような足取りで、私の部屋の前を何度も通るのです。
こんな時間になんてマナーがないんだとこっちまでイライラしてきてしまい、「うるさい!」とキレ気味で叫ぶと、その音はピタッと止みました。
何か嫌な予感でしたが、あいにく私はいわゆる見えるタイプではありません。
しかも、気が強いもので、霊的なものに自分の人生を邪魔されるなんて我慢なりません。
絶対に勝つという謎の意気込みの気持ちでいたのですが、特に何もありませんでした。
次第にまたうとうとして、気付いたら再び寝ていました。
そして、アラーム通りに朝に起きると、そのままその旅館を後にしました。
ですが、その後日からずっと喉が痛くて、ツバを飲み込むのも痛くて、体調が悪い日が続きました。
風邪の前兆か何かだろうかと思いましたが、特に喉の痛み意外に別状はありません。
熱もないし、咳も鼻水も出ないのですが、喉だけがチクチクと針で刺されているように痛い。
次第に、胃もむかむかしてきて、元々大食漢だったのですが、すっかり食欲が落ちてしまうほどでした。
これはおかしいと思い、友達に旅館の話も含めて相談したところ、知り合いの霊感があるという人を紹介してくれました。
その人に、電話をつなげると、すぐに「胃がやられてない?」と聞かれました。
その後、どこどこの温泉地にいきましたか?と聞かれ、その温泉地は私が泊まった温泉地でした。
ズバリと言い当てられたことに驚きと戸惑いを感じつつ、「これもしかして何か憑いているのでしょうか?」と訪ねるとその旅館で、胃癌で亡くなった男性がいますとすぐに言われました。
後日、その旅館に問い合わせるとそこの旅館の持ち主が胃癌で亡くなられたそうです。
そのことをまたその霊感のある方に報告すると、今もその方は成仏できていないとのこと。
どうしたら良いのかと思っていると、後日にその方がその旅館まで行ってくれたようで、急にもう大丈夫だよと電話がきた後スーっと痛みが消えていきました。
まるで何事もなかったかのように、喉の痛みも胃の痛みもなくなり、食欲も元に戻りました。
この出来事は本当に不思議だったなと思います。
私は人生のうちで、物理的に何かを見たりはしませんが、こうやって症状として体幹してしまった以上、なかなか信じないわけにもいかないなと思います。
今まで、占いだったり霊媒師だったり、目に見えないものを商売として行う人たちのこともあまり信じてはいなかったのですが、本当にお世話になりました。自分ではどうにもできないときに、頼れる人がいるというのはとても心強いと思ったからです。
その温泉自体は、とても気持ちの良い温泉で、良かったのですが、旅館での足音のこともおそらくはその幽霊の仕業だったのではないかと思います。
というのも、そのときにその旅館では宿泊客を見ていなかったので、足音や人の気配があることがおかしいのです。
その時は、あまり怖いことを考えてしまうと、余計に怖くなりそうなので、わざと目を背けていたところもありましたが、後々振り返ってみるとあれ?と思うことは多々ありました。
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