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不思議体験

sabakanさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

誰もみていない飛び降り
長編 2025/10/16 21:48 4,050view
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今思えば、夜の学校の戸締まりがこんなにもなされていなかったのは、あまりに不自然だったように思います。
もしかしたら、最初から嵌められていたのかもしれません。

屋上の扉を開いた先、そこには落下防止用の安全柵の向こうに、大量の綺麗に揃えられた上履きと、淵に立つBがいました。
それ以外は他のグループの連中も誰もいません。
私が声をかけようとしたとき、

Bが飛び降りました。

私は、一瞬頭の中が真っ白になりました。
叫ぶことすらできません。
同じ姿勢で数秒間経って、頭がやっと働き出した頃。
私はあることに気がつきました。

落下音がしない。
間違いなくもう衝突しているはずなのに。
私は駆け出しました。
安全柵を超え、何が起こったのかを見なくてはという衝動に駆られました。
私は何かに足を取られました。
もう少し反応が遅れてたら、屋上から落下しているところでした。
床を見ると、

大量の画鋲と油が敷かれていました。

私は意味も分からず、反射的に屋上から下の地面を見ます。
そこにはBの姿はどこにもなく、

真下に石灰で模ったであろう人型のマークと、その側に私にスマートフォンを向けたB以外のグループの二人がいました。

彼らに私が何を言ったのかは覚えていませんが、おそらく怒鳴りつけたような気がします。
彼らは、何も反応を示しませんでした。
どのくらいたったでしょうか。
叫ぶことにすら疲れた私は、体をふらつかせながら元来た道を辿り、屋上の扉を閉めました。

その瞬間、

何かが落下した時のような衝突音と、数十人の、とても大きな笑い声が扉の向こうから聞こえてきました。

『こいつさ、これだけで終われると思ってんのかな』

クラスメートたちの声でした。

私は全力で階段を下り、一心不乱に家に帰りました。

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