「いいよ、俺んちすぐそこだし」
Rはまだ泣いてたし、チェルシーは吠えまくってて、俺はここに一緒にいるのが嫌で家が近いからってことを理由に走って帰った。
次の日の夜、なんか電話がなって。
なんかよくわかんないけれど、次の日から一人で帰ることになった子は、他の同じ方向の生徒と一緒に帰るようにって言われて。
公園にはいろんな人がいるから、一人で行っては行けません。
犬の名前がわかっていても、その人のお家を皆の親御さんは知らないので、親に言わずにいってはいけないって言われた。
多分チェルシーちゃんのママがなんか言ったんだろうなと思った。
それから時間が経って同じ公園に久しぶりにいって、今もあの頃と同じように公園で犬の散歩する人をみて懐かしい気持ちになる。
公園の景色はほぼ変わらなかったけれど、犬の散歩組はかなりメンバーチェンジしてた。
リードぐいぐい引っ張ってイケイケだった子がいまやよたよたゆっくり歩くのを飼い主が待ってるように変わってたり。
俺が大きくなったように、時が流れた。
あいつ俺が高校生の時は、まだぐいぐいリード引っ張ってたのになぁ。
って懐かしく思った時にふっと脳裏によぎる。
よちよちと歩くマルチーズのレオだった。
小学生の頃は全くわからなかったけれど、今ならわかる。
あいつシニア犬だった。
犬の見た目ではぱっと見男女どっちかわからない。
〇〇君のママ、〇〇ちゃんのママこれも法則性があって、雄だと〇〇君、雌だと〇〇ちゃんだったのだと思う。
レオ君のパパ。
レオは雄でさらにレオを小脇にかかえて走っていったレオ君のパパ。
レオは普段からよちよち歩いてたけれど、もうシニアで走れないからレオ君のパパはあの日小脇に抱えて走った。
ワンワン吠えまくりで、いつもは犬のリードを自分のところにひいて小型犬なのにちっとも触らせてくれないチェルシーのママがあの日だけは、チェルシーがあんな状態なのに俺とRを家まで送るって言った理由。
お菓子をあげるとか、おもちゃを買ってあげるみたいなことは言われなくて。
そんでもって、まったく知らない人じゃなくて、誰か顔を知ってるくらいの間柄のやつが人を狙うのだ。























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