「頼めるわけないだろ」
「そこをなんとか、頼むよ。俺サークルとか入ってないから、他の学科とのつながりがあるようなやつはいないし。本当に困ってるんだ」
本当に困っていることは事実だろう。
よもやAもホームセンターよりいくらか安い金をケチったらこんな目にあうだなんて思いもしなかっただろう。
「サークルの集まりも今は昔のようにあるわけじゃないし。今じゃ連絡先もしらない」
何よりかにより、この厄介で気味の悪い話にかかわりたくなかった俺はAがおごるっとていってたけれど。
財布から多めに7千円を取り出すと。
「明日早いから今日はもう帰るわ」
と逃げるように金を置いてかえった。
Aには悪いけど、Aの話はとてもじゃないけれど俺に解決できるようなことじゃなかった。
それに業種は違えど、俺も営業。
他の業者が軒並み断るようなのは、完全なる火中の栗、絶対拾ったらいけないやつってことくらいは営業成績がパッとしない俺でもわかるようなことだ。
どれだけ金を積まれても、どんなにおいしい話だと思っても、ましてや他の同業者にも親切に忠告するとなれば、そうとうやばい案件で同業者といえども引き受けたらやばいんじゃないかと思わず心配になってしまうほどのものをAが背負ってる。
ネットは便利で、安い商品をすぐに比較できるけれど。
そのすべてが安心安全ってわけではない、引いてはいけない大外れみたいなのがあって、それをひくととんでもない目に合うのだと思った。


























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