A上司はどことなく、顔が前よりもてかって、腹回りがふっくらしてきた気がする。
一体いつまで、あの弁当は続くんだろう。
A上司は愛妻弁当がうまくて少し太ったなんていって飲みの席で笑ったけれど。
俺はそれに愛想笑いしかできなかった。
一つ一つは大したことはない、ただそれらが弁当箱の中に集結するとなると話は別。
あれは意図的に高カロリー、高塩分をぶち込んだ紛れもない人の体を時間をかけて蝕む毒。
浮気は許されてなんかいなかった。
許していたらあんな弁当連日作るはずもない。
前は羨ましかったA上司の弁当を見るたびに思う。
強烈に恨まれるようなことをしておいた相手がつくったご飯をよく口に運べるな。
A上司は今日も恐ろしいほど、シネが沢山詰め込まれた美味そうな弁当をうまいうまいと食べていた。
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