俺が中学生の時にあった転落事故の真相

朝、俺のスマホが鳴った。
「もしもし？」
「木村。俺だよ、俺」
「はい？」
「やだなぁ、中学の時同じクラスだった花田だよ」
「花田？ちょっと待て、本当に花田なのか？」
「そだよ、花田だよ。木村、俺の事を忘れたのかい？」
「覚えているさ。でも、花田、お前・・・」
「おいおいおい、どうしたんだよ木村？」
「お前、中学時代に屋上から転落して死んでいるんだよ」
「おいおいおい、木村。たしかにお前の言うとおり転落して死んださ。ただな」

「何だよ」
「俺な。隣のクラスの横山にクロロホルムかかされて、そのまま、落とされたんだよ」
「は？」
「だ・か・ら。俺は横山に殺されたんだよ」
「一体どーゆーことなんだよ」
「横山。人の死に関心があったんよ。あの後、何人かの生徒が屋上から転落死する事件があったやろ」
「あった！あった！あれ、全部、横山の仕業だったのか」
「それじゃあ、天国からの電話代がダイアルQ2並高いから、もう切るよじゃあな」
電話が切れた。

後日、俺は昔、通っていた中学校の駐車場に赤いホンダ・プレリュード(二代目)を止めると、すぐさま、職員室に向かった。
「木村じゃないか？どうした？」

そこには俺の中学自体のクラスの担任がいた。
「先生。お久しぶりです。実は昔あった転落事故の事ですが・・・」
「ああ。木村、お前の方にも連絡が来ていたのか？」
「どーゆー事ですか？・・・まさか」
「実は昨日、転落死した花田から連絡があったんだよ。横山にクロロホルムをかかされて、落とされたというんだよ。ただな」
「ただな？先生、それどーゆーことなんだい」
「隣のクラスに横山という生徒はいないんだ」
「！」
「木村。それなら当時の名簿もあるから見てみるか」
担任は俺に名簿と写真を見せた。すると、写真に横山が写っているのだ。
「先生。この人が横山だ」
「こいつは横山じゃない。古倉衛だ。それに古倉は転落事件が起こる前に大阪に引っ越したしたんだよ。いや、先生も大阪に引っ越したしたはずの古倉を校内で何度か見かけたことがある。それどころか、生徒の間でも古倉を目撃した人がたくさんいたんだ。先生は古倉の方にも確認の為、連絡を入れた。そんな話を聞いた古倉は驚いていたんだ」
じゃあ俺があった横山はいったい誰なんだ？ますます謎が深まるばかりである。