5年前に夫に突然先立たれ、それでも介護を受けながら元気に過ごしてた母だったが、
大腿骨を痛め,入院しリハビリに励んでいた矢先,突然に亡くなってしまった。
喪失感がまだ色濃く残るなか無事に葬儀を終え、私は嫁ぎ先から帰っていた娘と一緒に,
リビングで思い出話をしながらくつろいでいました。
その時突然玄関のインターホンがけたたましく鳴り響いたのです。しかも、一度だけではなく、
まるで誰かが何度も押しているかのように連続で。
私はイタズラかと思い,玄関の扉を開けて,外を見たのですが,誰もいません。
慌ててモニターを確認すると、そこに映っていたのは人影ではありませんでした。
画面いっぱいに広がっていたのは、テレビの砂嵐のような白黒のノイズ。ザーッという音まで聞
こえてきそうな、不気味な映像でした。
私は気味悪くなり,インターホンの電源を切ると、ピタリと鳴り止み、それ以降は何事もなかっ
たかのように静かになりました。
不思議なことに、その後はインターホンは正常に動作していて、故障の兆候すら見当たりませ
ん。もちろんモニターのメモリにも人影は一切映っていませんでした。
でもその時娘が言ったのです。 「おばーちゃんが来てる」と
娘はおばーちゃん子で,離れていても連絡し合っていたみたいで,何か感じたのかも知れません。
生前母と良くこんな話をしていました。「人は亡くなったら何処へ行くのかな」
冗談混じりで、その時は教えてと。
あの日の出来事は、偶然の機械の不具合だったのかもしれません。
しかし、「おばあちゃんが来てる」という娘の言葉と、あの砂嵐の画面がどうしても頭から離れま
せん。
もしかすると母からのサインで、ここにいるよと,インターホンを押してくれた様な気がします。
思い出すたびに背筋がひやりとし、今でも不思議で仕方がないのです。


























怖