俺は悲鳴も出せず、ただ足をもつらせながら走り出した。
必死で足を動かし続けた。
呼吸はもう限界で、肺が焼けるように痛い。
あの異形が俺を追いかけてきてるかもしれないという恐怖だけが俺の足を前に進ませている。
逃げてる間、人とも獣とも例えられないような叫び声とうなり声があの防災放送から鳴り続けていた。
途中、何度か振り返ってしまった。
あの人間離れした風体で、筆舌に尽くしがたい程気持ちの悪い動きで後を着いてきていた。
気がつくと家に着いていた。
俺はあの異形から逃げきれた安心感と走り続けた疲労でそのまま玄関にへたりこんだ。
変わらずあの異形は玄関の前で意味不明な言葉や呻き声を垂れ流し続けていた。
そのまま玄関で震えていると、あの防災放送は徐々に遠くへ離れていった。
そのまま気絶するように意識か途切れてしまった。
その後、夜中の散歩をすることは二度と無くなった。
今でも夜寝ていると、俺にしか聞こえないあの防災放送が田んぼ道の方から聞こえてくるような気がする。
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こわぁー
とても怖くて久々にゾクッとしました!!これからも怖い話をとても期待して待っておきます!!
怖すぎて夜外出ようとおもわなくなった
怖すぎ
こわい
こわくねぇし、