地下のボイラー室は、本当に出るって話だぞ。
所属していた部活の合宿先で先輩から聞かされたのは、近くの廃ホテルのオカルト話。
ホラー好きな私としては、探検しに行かないという選択肢は無く、早速同期A・Bの二人を連れてその廃ホテルへ向かいました。
時刻は午前三時に近く、肝試しにはうってつけ。
胸を躍らせながら廃ホテルに到着し、件のボイラー室も確かめた私たちですが、特に何も起こらず肩を落としました。
このままではつまらない、わざわざキツい坂道を登ってきたのに、骨折り損だ。
刺激を求めた私は、同期二人にある提案をしました。
地下一階から地上三階まであるこの廃ホテル。
まず私が地下一階と地上三階の突き当りに目印を付ける。
後の二人はそれを確かめ、それがどんな目印なのかを私に伝える。といった肝試し。
何事も無く目印を付け、二人が待つ地上一階のフロントへ。私の合図でAが出発し、十分もしないうちに戻って来ました。
続いてB、となるはずでしたが、一人で行くのはどうしても怖いと言って聞かない彼。
しばらく説得を続け、フロント組とビデオ通話をしながら移動する。絶対に怖がらせない。
という条件で、やっとBを出発させました。
地下一階に到着し、大げさに怖がりながらも、私の付けた目印をカメラに映したB。
私たちが目印を確認したことを伝えると、彼は階段へ向かい、上っていきました。
ただ、不思議というわけでもないのですが、階段を上っている間、Bが一言も喋らなかったのです。
無言で階段を上っていく彼の姿をフロントからチラッと確認して、Bが私たちを怖がらせようといているんだ、
と思った私たちは、そのまま通話画面を眺めることにしました。
地上三階、無言のまま突き当りに辿り着き、目印を映す彼。
確認したよ、帰って来いよ。
そう伝えた私たちですが、彼は未だ何も言わず、その場に立ったまま。
少し待つも、いい加減腹が立った私たちは、Bを迎えに行くことにしました。
階段を上りきって、目印の手前まで到着した私たちでしたが、
そこにBの姿はありませんでした。
ああ、まだ私たちを怖がらせようとしているんだ。
そう思ってスマホを確認すると、画面には私とAの背中が映っていました。
背中に感じる冷たさを振り切って後ろを向くも、そこには誰もいない。
私たちは息もできないまま一目散に階段を駆け下り、ようやく地上一階へ。
そのまま出口へ向かおうとすると、背後から、























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