ラーメン屋でバイトしてた時の話

俺はバックヤードに戻り
店長にイス落ちてなかったっすね
と言うと
店長はため息をつきながら「あぁ…そっか…」
と言う感じで何か訳知り顔と言うか
またか…
と言うような感じで
妙に落ち着いているような気がした

そしてまたある日
営業が終わって
あー疲れたねーと賄いラーメンを食べている時に

「ピンポーン」と
客席の方から鳴った
お客様の各席に呼び出しベルのボタンを置いてあり
それを押すとピンポーンと鳴るような仕組みになっている
だからボタンを押さないと絶対に鳴らない

俺は言葉が出なかったが
店長が「一緒に見に行こう」
と言うので怖かったがバックヤードに一人で取り残されるのも怖かったのでついていくことにした
店内の電気を全てつけ、俺は客席に来た事を後悔した

呼び出しベルボタンを鳴らすと表示パネルに番号が反映される仕組みでどこの席から呼び出されているのか分かると言うのがパネルで分かるのだ

うちは1から25番の席があるのだが

パネルに表示されているのは26番
存在しない番号なのだ
ボタンで連動させるので絶対に26番と言うのは絶対に出ないはずなのだ

店長の顔を見ると青ざめながら俺に
洗い物は明日にして今日はもう帰ろっかと言い
俺は先に店を出た

店舗はガラス張りで中がよく見えるのだが
車に戻った時にふと店舗を見ると
店内に人が立っているのが見え
最初は店長かなと思ったのだが、そう思った瞬間に
従業員出入口の方から店長が出てきた
あれ…と思い店舗の方に目を向けると
先程まで立っていた人の姿は消えていた