これは私が社会人1年目で、一人暮らしを始めたばかりの頃の話。
都内で職場から近く、家賃も安かったので古いアパートを選んだ。
ただ・・・家賃の安い理由が、そのアパートの少し先に踏切がある事。
毎晩「カンカンカン…」って音が聞こえてて、そこまでうるさくないけど、気にはなる。
でもそれさえ我慢すれば、格安のアパートに住める。だんだん慣れてくるし。
・・・最初はそれくらいにしか思ってなかった。
ここに住み1か月が過ぎたある日、夜の1時過ぎに起きてしまって、眠れなくてスマホをいじってた。
しばらくしたころ踏切の音が聞こえた。
「カン・カ・カカン・カ・カンカン・カン・・・カンカンカン」
こんな時間に踏切の音・・・?音もなんか変・・・と思ったが、貨物列車はこの時間でも走ってるから、それだろうと思い、特に気にしなかった。
しかしいつまで経っても踏切の音は鳴りやまない。
私「事故・・・?それともものすごく遅い貨物列車・・・?」
玄関を出た所から踏切が見えるので、何が通るのか見てみようと思い玄関を開けて外に出た。
踏切の方を見ると、遮断機は下りておらず、赤いランプも点いていなかった。
故障か?だとしたら危険だ。どこに電話すれば・・・。
そう考えていた時に、後ろの玄関ドアがバタンと閉じた。
その瞬間、これまで聞こえていた音が少し小さくなった。
上手く言えないが、音楽が鳴ってる部屋から、別の静かな部屋に移動したイメージ。
私「・・・・・え?」
よく考えたら、部屋に居る時は気にならなかったが、玄関のドアを出てからは、どの方向から音がしてた・・・?
私「・・・・後ろから・・・・」
振り返り玄関ドアの方を向くと、音が正前から聞こえる。
つまり「私の部屋から踏切が鳴ってる状況」
だとしたら原因は分からないけど、これすごい近所迷惑・・・。
そう思いドアノブに手を掛けた時、ピタッと音が止んだ。
それから部屋に入っても特に音は聞こえなかった。
私「え・・・意味わかんないんだけど・・・」
怖かったが、とりあえずその日は寝る事にした。
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