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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

誘われて
長編 2025/08/02 23:45 3,450view

数年前から1人キャンプをするようになり、1人の時間を楽しんでいる。
始めた頃は、近場の山で決まった場所でキャンプを楽しんでいた。
次第に、訪れたことのない山に行き、キャンプをするようになった。事前にある程度、調べてから行くのでさほど不安になることはなかった。
そんなある日、スマホでキャンプ動画を見ていると比較的近場でまだ訪れたことのない山でキャンプをしているのを視聴し、なぜかその場所を訪れたいという衝動にかられた。
今までは山に入っても奥まで行かず、車を停めた場所から近い所でキャンプをしていたが、動画の場所は山に入り、しばらく歩かないと到着しない場所だった。
そのため、準備をいつも以上に念入りに行い、キャンプ当日を心待ちにしていた。

キャンプ前日。
以前、よくキャンプに行っていた友人に、
「明日、動画で見た場所に行ってくるよ!めちゃくちゃいいとこだから、着いたら写真撮って送るわ!」
「へぇー、珍しいな!お前がそんなに楽しみにしてるの笑。」
「確かに。今までで1番楽しみにしてるかも。だけど、前に見た動画を見返したいんだけど、いくら探しても見つからないんだよな…まぁ、場所は大体覚えてるから行けると思う!」
「大丈夫かー?笑。まぁ、何かあったら連絡しろよ!」

翌日。
荷物を車に積み、家を出た。
車で2時間ほど走り、目的地周辺になり、車を停める場所を見つけ、入山した。
「確か、歩いて40分くらいだったな…」
ゆっくり、周りの風景を見ながら歩き続けた。
もう少しで目的地に着くというところで、突然雨が降り始めた。
小雨程度から本降りになったので、私は急いで走り始めた。
すると、山道を抜け、開けた場所に出た。
そこに小さな山小屋みたいな建物があり、そこで雨宿りさせてもらうことにした。
建物の近くに行き、雨が当たらないとこで休憩していたが、雨が止む様子はない。
「なんだよ…晴れ予報だったのに…しばらく、止まないな…」
私は思い切って、帰宅しようとした。

荷物を背負い、走り出そうとした瞬間、脳裏にあの動画の映像が浮かんできた。
「せっかく、ここまで来たし、もう少し待ってみるかな」
そう決意した私は古屋の中に入れないか、入り口のドアを開けてみることにした。ドアには鍵は掛かっておらず、ゆっくり、中を覗き込みながら古屋の中に入っていった。
古屋の中には、まとめてある新聞紙や雑誌と何かを入れてあるのかスイカくらいの大きさ閉じられた袋が隅の方に置いてあるだけだった。
「休憩するだけだし、十分だな。少しの間、お邪魔させてもらおう。」
私は勝手に山小屋で使用されていると思い込み、荷物を置き、休憩することにした。
壁に寄りかかり、座って、スマホを取り出すと圏外になっており、
「圏外か…とりあえず、あいつらに見せる写真でも撮るか」
窓から見える景色を撮影した。
ただの原っぱで雨が降っているだけの写真…
「なんだ、これ笑。」
LINEに写真を貼り付け、「山小屋で、雨宿り中…」とだけ文書をいれると送信を思わず押してしまった。圏外だから送れないだろうと思っているとなぜか友人達に送れた。
その後、睡魔が徐々強くなり、少し横になって眠ってしまった。

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