坊さんは、俺達の汗と尿まみれのおんどうの中に迷わず入って来て、そして俺達の肩を一人一人抱いた。
その時坊さんの僧衣?から、なんか懐かしい線香の香りがして、
(ああ、俺達、生きてる)
って心の底から思った。
そこでまた俺子供のように泣いた。
しばらくしても立ち上がれない俺を見て、坊さんはおっさんを呼んできてくれた。
そして2人に肩を抱えられながら、前日に居た一軒家に向かった。
途中、行く時に見た大きな寺の横を通ったんだが、その時俺達3人は叫び声を聞いた。
低く、そして急に高くなって叫ぶ人の声だった。
家の玄関に着くと耳元でAが囁いた。
A「さっきのあれ、女将さんの声じゃね?」
まさかと思ったが、確かに女将さんの声に聞こえなくもなかった。
だが俺はそれどころじゃないほど疲れていたわけで。
早く家に上げて欲しかったんだが、玄関に出てきた女の人がすげー不快そうに俺達を見下しながら、
「すぐお風呂入って」
って言うんだわ。
まーしょうがない。だって俺達有り得んくらい臭かったしね。
そして俺達は、3人仲良く風呂に入った。
まあ怖かった。
いきなり一人になる勇気はさすがになかった。
風呂を上がると見覚えのある座敷に通され、そこに3枚の布団が敷いてあった。
「まず寝ろ」ということらしかった。
ここは安全だという気持ちが自分の中にあったし、極限に疲れていたせいもあった。
というか、理屈よりまず先に体が動いて、俺達は布団に顔を埋めてそのまま泥のように眠った。
俺は眠りに入る中で、まったくもってどうでもいいことを思った。
(起きたらあいつらに、俺達が帰るって電話しなきゃな。)
旅行の準備満タンでスタンバイする友達2人は、俺達が今こうして死にそうな思いをしていたことを知らない。
もちろん、旅行計画がオジャンになることも。
そういえば、おんどうから出る時俺はBに聞いたんだ。
俺「B、もう、見えないよな?」
























果てしなく長い・・・・
がちこわかった 無事でよかったです
長かったけど最後まで読みました
またしても2ちゃん引用…