これはちょっとした注意喚起のお話です。
初めてそれを見たのは、7年ほど前のことです。車通りの多い横断歩道で信号待ちをしていると、ぱっと見はスーツをビシッと着こなした、仕事ができそうなお兄さんが信号を無視して横断しようとしました。その瞬間、人の形をした影のようなものが、そのお兄さんに向かって猛烈な勢いで走り寄り、抱きつくように飛び掛かりました。次の瞬間、そのお兄さんは車に轢かれて吹き飛ばされてしまいました。僕は一瞬フリーズし、状況が飲み込めませんでした。すぐにハッと我に返り、周囲の人たちとともにお兄さんのもとへ駆け寄りましたが、あの影のようなものはもう消えていました。
その後、救急車を呼び、お兄さんは運ばれていきました。
次に、その影のようなものを見たのは、あの事故から2年ほど経った頃です。歩道を歩いていると、両手に買い物袋を持ったおばさんが横断歩道のない道路をガードレールを跨いで渡ろうとしていました。おばさんが道路の真ん中辺りに来たとき、前に見た影のようなものが地面から4体、ヌッと這い出てきました。僕は驚いて固まっていると、その影のようなものはおばさんを囲みました。そして、その瞬間、おばさんは車に轢かれて吹き飛ばされてしまいました。おばさんが轢かれた直後、影のようなものはズズズッと地面に沈んでいきました。
それ以降も、度々、交通ルールを破ったりしている人のもとにその影のようなものが現れ、ルールを破った人が事故に遭い、怪我をしたりする場面を目撃しています。
オチなどは特にありませんが、その影のようなものを見るのは、いつも交通ルールを破っているときです。もちろん、交通ルールは守るべきですが、もしも破りそうになったときは、この話を思い出してほしいと思います。
























視える人の話としてめっちゃいい。