だがこれほどのスポットは味わったことがない。一体何が有るのか?
好奇心だけが私の震える足をつき動かした。
小屋へ着くと、壁が壊れていた為、簡単に中へ侵入できた。小屋に侵入した瞬間に視線は一層強くなった。
震える手でヘッドライトを点ける。
すると15畳程度の広さの内部に、
8つ、
粗末に作られた、バリの多い歪んだ木製の箱があった。いや、棺桶といった方がいいのだろうか。大きさは成人男性が丸々入るほどなのだ。
鼓動がさらに早くなる。
ギッギッ
木製の床が音を立てる。穴が空いて野ざらしのはずなのに、不自然な程床にはゴミやその類が無かった。
蓋が無かったので、意を決して箱を覗き込む。
中には花柄の布団が敷き詰められていた。私は安堵した。死体でも入っていたらどうしようかと。
…だがよく見ると、綿の飛び出た布団に何かが挟まっている。見ることすらはばかられたが、それを摘んで引っ張り出す。それは、
メモ用紙程の大きさの、
黄ばんだ人型だった。
「ウアッ」
思わず放り出す。
ヒラヒラと舞い人型は足元に落ちた。気持ちを落ち着かせ、ヘッドライトをあてて確認する。そこには、汚い字で、
か ね ひ
と記されていた。
辺りを見渡す。この箱全てにこれが…?
震える体を奮い立たせ、周囲の探索を再開する。この8つの箱以外にはなにもーー
…ん?
何かがおかしい。箱に気を取られ、見過ごしていた小さな違和感。小屋に入ってからずっとまとわりつく、妙な不快感。この正体は…?
そして気付く。私は確かに小屋の壊れた側面から入ってきた。だがいくら周りを見ても、
その小屋には窓はおろか
一つも、入口が無かった。
小屋かと思っていたものは、大きな「箱」だったのだ。8つの小さな箱を閉じ込めるかのように、大きな箱があった。
どこかで読んだことある文体
作家さんかな
意味わかんなくて怖い