長編
2021/03/25
17:01
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誰が、どうやって…?
一気に冷や汗が吹き出る。目には涙すら浮かべていた。
もう無理だ。帰ろう。そう思い、入ってきた壁へ駆け寄る。その時、
みしり
と天井の方から家鳴りがした。
反射的に私は、そちらを向いてしまったのだ。ヘッドライトが天井を照らす。そこには
一面に
楕円形の目の様な模様が
不規則に
8つの箱を睨みつける様に
墨の様なもので描かれていた。
視線の正体はこれだったのだ。限界を感じた私は、半狂乱になりながら小屋を出て、麓へ走っていった。
気が付くと私は、近所のコンビニの前で震えていた。
翌日、Aに話す。
「どうだったー?怖かったっしょ?」
「いや…とんでもねぇ場所だった…」
「えぇ?そんなにかなぁ?ーーだってただの古本小屋でしょ?」
「…は?」
「え?だから古本小屋。いっぱい古本が何処からか集積されてて、人によっては怖いかもってところ。たまに噂に聞くけど別に心霊スポットでもないし、君行ったこと無いとおもって。僕も行ってみたけど全然怖く無かったけどなぁ」
学校が終わり、午後置き忘れたマウンテンバイクを取りに向かうついでにもう一度行ってみた。
だがそこには確かに古びた本が積まれた粗末な小屋があるだけで、あの「箱」は無かった。
あの「箱」はどういう目的で作られ、なぜ私の前に現れたのか。
今となっては知る由もない。
それ以来、私は心霊スポット巡りをやめた。
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どこかで読んだことある文体
作家さんかな
意味わかんなくて怖い