ぼろぼろの病院跡地
投稿者:胸肉 (4)
地元のとある廃墟について。
畑が多く、住居もまばらにある場所に、非常にぼろぼろの病院跡地がある。
見た目で十分怖いのだが、いろいろな地元に伝わる怖い話しもある。
近くに霊園があり、夜はほとんど人通りもないような場所だが、深夜になると病院跡地から話し声が聞こえるという噂がある。
よくある学生仲間で肝試ししようということになり、初めて中に入ったことを思い出すが、とてつもなく怖かったことを今でも思い出す。
最上階の3階まで行って帰ってくるという簡単な肝試しだったが、一緒に歩いていた女の子が急に3階に着いた辺りで動けなくなってしまった。
女の子は「金縛りかも!」と気が動転して大騒ぎしている。僕はそんな女の子が兎に角うるさいと思い担いででも出ようとしたが、女の子は思ったより体が重かった。全然背負うことが出来ずにパッと女の子を見ると、普通に立っており、僕に声をかけている。どうやら僕が急に気を失っていたらしい。
緊張や恐怖でそうなることもあるらしいのだが、体が兎に角重い。
1階に着いた辺りで急に肩が軽くなった。帰ろうと思い、跡地を出ようとしたところで、「ありがとう」と小さい声が聞こえた。女の子に急に言われたと思った僕は、何?と言い返したが、女の子は逆に急に何?という感じでポカンとしている。怖くなって待っている友人らに向かって走り、体験したことを話した。
友人の1人が昔の病院について調べたらしく、どうやらヤブ医者が多く、何人もの死者を施術ミスで出していたらしい。
それが問題になり、廃墟と化してしまったのだろうと友人は話す。
さっきありがとうと言った声はなんだったのだろうか気になったが、そこでは特に深堀はしなかった。
後日改めて友人に病院の昔について聞いてみた。手術ミスで病院からずっと出れない女の子が昔いたらしい。その子は病院のベットで死んでしまい、外に連れてってくれてありがとうという意味でそう声をかけたのではないか?と友人は言う。奇妙な体験だったが、怖く感じていたものの、怨念を救ったことに少しほっとした体験であった。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。