ん?おっ、と…
私は以前に掘った落とし穴の位置を思い出し、その場所を飛び越えた。
「ちょっと待って!」
前を走る友人に声をかけ、落とし穴を確認してみることに。
草や小枝などで隠しているのをどけてみて、私は驚愕した。
以前、私達が掘った穴はせいぜい1メートルあるかないか、幅も人が1人入れるかどうかの小さな穴だったはず…
しかし、私が見ている穴は、深さが約3メートル、幅も大人が2人は余裕で入れるほどで落ちたら上がってこれない穴になっていた。
「え?こんなにデカかった?いやいや…なわけない…」
穴の底をよーく見ると何かあることに気づいた。カラスやネズミ、カエルなどの死骸が穴の底には転がっていた。
「もし、落ちてたら…」
想像しただけでゾッとした…
穴を覗き込んでいる私の耳元で、
「なんだ、知ってたんだ」
と聞いたことのない声がして、私は急いで走り出し帰宅した。
翌日。
友人達が、
「なぁ、お前昨日、山行ったのか?」
「ああ…行った…」
「1人で何しに行ったんだよ笑」
「え?いや、俺の前にも1人いたぞ。」
「いや、お前以外全然昨日帰ったぞ。なあ?」
友人達が顔を見合わせ頷く。
「お前、何回も呼んだのに山に1人で走っていくんだもん笑」
私はその後何も言い返せないでいた。
「俺も帰ろうとした。だけど、呼び止められて一緒に山に。だけど…顔、見てないな…誰だったんだろう…」
なんとも、言えない恐怖が込み上げてくる。
「今日はみんな早いし、山、行こうぜ。」
放課後、学校の入り口に集まり、歩きながら昨日の出来事をみんなに喋った。
「本当かよ。じゃあ、穴をみんなで確認しようぜ!」
そして、落とし穴の位置に到着した。
すると、穴は以前私達が掘ったくらいの小さな穴で草や小枝などは吹き飛ばされ、小さな穴だけがそこにはあった。























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