これは私が学生時代に体験したお話
高層ビルが建ち並ぶ狭い路地を下りた先
景色は一変して草木生い茂る住宅通りにポツンとあるボロアパート
建付けのクーラーは骨董品と化してはいたが
無いよりはましな昼日中
学校から帰宅し少しでも課題をやるか
それとも少し休んでからバイトへ向かうか
そんな事を考えている間にも
クーラーからの異音
外から微かに聞こえる鈴虫の音
帰ってきて遊んでいるのだろう子供達の遊び声
ボロアパートの壁は薄く時たま聴こえる隣人
オジさんの屁
アンサンブルにも程がある。
この時の私はこの先の就職や
学業、バイトの事に実家の事、色々な事にストレスを感じていた。
上記のアンサンブルも例外では無かった
座椅子に腰をおろし
ため息ひとつ……
眼をとじる
特に何もないし考えているわけでもない
と言うよりは何も考えたくないのだ
要は現実逃避だろう
アンサンブルは止むわけではないが
眼をとじて気持ちを切り替える
ヨシ……
身体は動かなかった。
手足は勿論頭も口も、眼だけはしっかり開き
間違いなく自分の部屋で夢では無いと思えた
ただ座椅子を倒し背をもたれたまま全く動かない
焦りも有ったが同時にとても感激したのを覚えている。
これが金縛りというやつか!
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