さすがに浅川もちょっと腕を組んでしばらく考えた後、
「う~ん、こんな都会にイタチやタヌキなんかいるはずないしなあ。
それできみは僕にどうして欲しいの?
一緒にお化け退治をしてくれとでも言うの?」
と少しからかうように彼女に言った。
「そういうわけじゃないんだど……」
すると洋子は困ったように下を向いた。
しばらく二人の間に沈黙が続く。
沈黙を破ったのは浅川だった。
「ちょっと聞くけど、きみの言うそのおかしな現象が起こるのは昼間ばかりなのかい?」
彼女は俯いたまま微かに頷く。
「ということは、そのお化けは夜は押し入れでじっとしてるんだ」
「分からない。
ただ夜、物音を聞いたことはないわ」
「意外と、そいつ今は押し入れで寝てるかも」
そう言うと浅川は静かに立ち上がり、ゆっくりテーブルから離れ、リビング奥の和室の方に歩く。
洋子はテーブルに座ったまま不安げな表情で「気をつけてね」と一言言うと彼の背中をじっと目で追う。
※※※※※※※※※※
浅川は開け放たれた襖からそろそろと音をたてずに薄暗い畳部屋に入り、そっと押し入れの前に立つ。
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こわい
笑ったwww
コメントありがとうございます
─ねこじろう
きも、、、