そして数日後の日中のこと。
洋子が部屋を掃除してると外からサイレンの音が断続的に聞こえてくるので彼女は手を止め、表に出てみる。
正面の路地に救急車が停車しており、隊員たちが担架に乗せた誰かを車内に収容しようとしていた。
やがて救急車は再びサイレンを鳴り響かせながら、走り去る。
数日後、洋子は向かいの田中さんが自宅の一室で亡くなっていたということを知った。
無数のバービー人形に囲まれ、パンツ一枚で横たわっていたという。
それから向かいの家は空き家になる。
そして洋子の家に異変が起き出したのは、田中さんが亡くなってから一週間が過ぎた辺りからだった。
※※※※※※※※※※
「和室の押し入れに、何かいるような気がするの」
それは土曜日の夜のこと。
食事の後、リビングの食卓テーブルに座る洋子は不安げな表情で目の前に座る浅川に呟く。
「だいたい洋子は神経過敏過ぎるんだよな。
何にもいるはずないじゃん」
そう言って浅川は可笑しそうに笑った。
すると彼女は少しむきになった様子で話を続ける。
「だって今日も昼間、奥の和室を掃除していたら押し入れの中からゴソゴソ音がするから勇気をだして『誰?』と言うと、ピタッと止んだのよ」
「ゴキブリか何かじゃないか?」
「多分違うと思う。
ゴキブリだったら、カサカサとかそんな感じの物音でしょ?
そんなのじゃないのよ。
しかも一回や二回じゃなくて、これまで真っ昼間に何回もあったのよ。
それと最近和室に行くと、誰かから見られてるような感覚を背中に感じたりするの。
それで振り向くと、押し入れの襖が少し開いてたりしてて、、、
だから私、ここ最近は奥の和室の押入れだけは怖いから触らないようにしてるの」
























こわい
笑ったwww
コメントありがとうございます
─ねこじろう
きも、、、