「お向かいの田中さんなんだけど、、、」
食卓テーブルで浅川の向かいに座る洋子が切り出した。
「何か変なのよ」
晩御飯を終えた浅川は彼女に尋ねる。
「変って、どこが?」
「私朝方スーパーに買い物に行くんだけどね、玄関出て門扉開いて前の路地に出るじゃない。
そしたら決まって路地挟んで正面の門扉の向こうに立っててね。
挨拶しても黙ってて、門扉の隙間からただじっとこっちを見てるの。
しかも裸でパンツ一枚だけしか履いてなくて、片手には30センチくらいのバービー人形を持っててね。
本当気持ち悪くて、、、」
「バービー人形?何だそれ?
確かあの人って独り暮らしだったよな。
年は50過ぎくらいかな?」
「うん。
特に仕事してるようでもなさそうだし、
日中はずっと家にいるみたい。
ただ私が出かける時だけ表に出てくるようなの」
「洋子が出かける時だけ?」
「うん。
気になったから家に帰った後二階に上がって窓から覗いたら、もういなくて。
夕方とかにも覗いても、やっぱりいないの」
「でも朝、洋子が出かける時だけ門扉のところに立ってるんだ。
パンツ一枚で。
確かに気持ち悪いな。
ただ洋子に合わせてというより、朝起きたらそうするのを習慣にしてるのかもしれないから、あまり気にすることないんじゃないか?」
「そうね」
この話はここで終わる。
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こわい
笑ったwww
コメントありがとうございます
─ねこじろう
きも、、、