「もう、いい加減にして!」
「なんでちゃんと言うことを聞けないの!」
「また壊したの?!」
彼女の声は日に日に大きくなり、疲れと苛立ちに満ちていった。
ある日、TがIのスマートフォンを持ち出して走り去ると、彼女は激昂した。
家中に怒号が響き渡り、Tは恐怖に震えて押入れに隠れたまま、一時間以上出てこなかった。Tは怯えた目で、膝を抱えて小刻みに震えていた。「あー、あー」とだけ、小さな声で繰り返していた。
私は可能な限り家事も育児も分担し、彼女の負担を減らそうとした。
少し一人の時間が必要なんじゃないかと思い、友人との外出も積極的に勧めた。
すると、彼女は徐々に夜遊びに出かけることが増え、やがて朝帰りや、丸一日帰宅しないこともあるようになった。電話をかけても「友達と一緒だから」と取り繕うばかりで、その実態は私にはわからなかった。
私は仕事と育児、そして家事をほぼ一人で抱え込むようになり、次第に精神的に追い詰められていった。それでも、家族の形を保つために、ただただ耐えていた。
ある晩のことだった。
息子が突然、高熱を出した。顔は蒼白で、口から泡を吹き始めた。
「大丈夫か?!しっかりしろ!」
慌てて息子を抱き上げ、救急車を呼んだ。そして、Iに何度も電話をかけた。
繋がらない。何度かけても、応答はない。
友人にも連絡したが、「もう帰ったはず」との返事。
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