あの家が本当にそういう曰くがあるのかを調べたりもしたが、何にもそういう話は出てこない。取り壊されないのは不動産の事情があるらしく、その事情とやらも、心霊系のものでは無かった。
そうしている間、視界に移る小さな子はどんどん出てくる頻度が多くなってきていた。
そんなある時、洗面所で顔を洗っていると焦げ臭い匂いがして、顔を上げて鏡を見ると俺の背後にその子がいた。
ちゃんと見るのは初めてだった。
その子は全身焼けただれたようにドロドロで、片目は空洞になっていて、片足が炭になるまで焼け焦げていた。
その時、ハッと思い出した。俺が作ったあの家の話。
無理心中で家に火をつけたという話。
おかしい。完全に俺が作りあげた話でしかないのに。
腹括って後ろを振り向いた。もうその子は居なかった。
怖くなった俺は寺に走った。
坊さんに事情を説明すると哀れんだ顔をしてこう話し始めた。
「確かに、全身に火傷をおった男の子があなたのそばに居ますね。ですが、例の家から着いてきたと言う感じではありません。」
「恐らく、あなたが考えた話の通りに擬態しているだけで、本当はもっと強力な”何か”が取り憑いてしまっているように見えます。」
「あなたは運がいい。あなたは強い守護霊に守られている。しかしその”何か”とは力が拮抗しているようです。」
「もし守護霊が負けるようなことがあれば、危ないかもしれない。」
「百物語のように、怪談話をしているとそういう類のものは寄ってきやすい。あなたは現地に赴き、写真を弄って話を作った。より強い力を持つものを呼び寄せてもなんらおかしくありません。」
「これからそういうことはしないように。」
と。簡潔に言えばこんな感じ。やばいじゃん俺
特にやれることは無いなんて言われたからそのまま帰宅したが、ほんとに怖くて居てもたってもいられない。
でも、やっぱ三大欲求だから、だんだん眠くなってきて、深夜に眠りについた。
その夜の金縛りはいつもと様子が違った。
廊下から聞こえる足音はいつもの足音ではなく、
ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
って凄まじい足音が聞こえてきた。
やべえよ、、やべえよ、、って、ギュッと目を瞑ることしか出来ない。守護霊頑張ってくれ、、って祈ったよ。
でもやっぱり、最近あの子が頻繁に見えてたし、昨日は真後ろに現れた。守護霊は負け始めてたんだ。
俺が作った話には、母親の霊も登場する。男の子だけではなく、母親も現れたら、拮抗していた力も大きく傾く。
多分、そっちも呼び寄せちゃったのかな。
玄関から、んー!んー!ふー!って聞こえる。もちろん狂気的に扉を叩く、ドンドンドンドンドン!!バンバンバンバン!!って音も。
























こえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー