~幽霊のくせにうるさい!~
「はぁ……また終電か……」
田中は疲れ果てた顔で電車に乗り込んだ。仕事に追われ、今日も帰るのは深夜。座席にどさっと腰を下ろし、スマホを取り出そうとしたその時——
「ちょっと!なんで私の隣に座るのよ!」
「……は?」
突然、耳元で女の声がした。しかも怒っている。
田中は驚いて辺りを見回すが、終電の車内にはほとんど乗客はいない。誰かの空耳かと思い、気にせずスマホを開こうとしたが——
「ねぇ、ちょっと!無視しないでよ!」
「えっ、お、お前誰だよ!?」
恐る恐る横を向くと、そこに見知らぬ女がいた。
長い黒髪に青白い肌、透けるような体——つまり、完全に幽霊。
「わっ!!幽霊!?なんで!?え、なんでこんなに普通に話しかけてくるの!?」
「なんでって、そこに座ったからでしょ!そこ、私の定位置なんだから!」
「定位置!?幽霊に指定席があるの!?」
「あるわよ!私はずっとこの電車にいるんだから!」
「うわぁぁぁぁ!!終電でおかしくなったのかもしれない!!」
田中は頭を抱えるが、幽霊の女はむっとした顔で腕を組む。
「ねぇ、いい加減慣れてよ。もう3回目でしょ、私に会うの。」
「え、3回目?」
「そうよ!前も『ぎゃぁぁぁ!』って叫んでたし、前々回なんて気絶したじゃない!」
「そ、そんなこと……あったような、なかったような……」
思い返してみると、確かに最近終電で何か妙な気配を感じることがあった。 それがこの幽霊だったのか……。
「で?今日は私の隣に座ったからには、何かお話してくれるんでしょ?」
「はぁ!?なんで!?」
「だって暇なのよ!ずっと電車の中にいるんだもん!」
「俺は仕事で疲れてんの!!幽霊とおしゃべりしてる余裕ないの!!」
「えー、つまんない。じゃあ、このまま降りる駅通り過ぎちゃってもいいの?」























コワすぎ!!
怖いっていうか、うんお幸せに
泣きそう
泣けるねー