「は!?どういうこと!?」
「ふふふ……実はこの電車、私が気に入った乗客は降ろさないようにできるの……」
「やめろおぉぉ!!俺は家に帰るんだ!!」
「じゃあちょっとくらい私の話、聞いてくれる?」
「……ちっ、仕方ねぇなぁ……」
「やったー!ねぇねぇ、私ね、生きてた頃はカフェ巡りが好きで——」
こうして田中は、幽霊の女と終電で過ごす妙な日々を送ることになったのだった。
(でもまぁ、幽霊のわりに悪い奴じゃないし……これはこれでアリ、か?)
彼がそう思い始めるのに、そう時間はかからなかった。
~幽霊と過ごす終電時間~
——深夜0時45分。いつもの終電。
田中は仕事帰りの疲れた体を引きずるようにして電車に乗り込んだ。いつもと変わらない光景。でも、2年前と違うのは——
「おっそーい!待ちくたびれたんだけど!」
「はいはい、ただいま。」
そう、幽霊と親しくなったこと。
電車に乗ると、彼女はいつもの席で待っていた。青白い肌に長い黒髪、透けた体——見た目は完全に幽霊なのに、態度は普通の女の子と変わらない。
いや、むしろ普通の人間よりもよく喋る。
「今日はどんな日だった?」
「最悪。上司に怒られるわ、取引先のミスの尻拭いさせられるわで散々だった。」
「ふーん、つまりまた後輩に奢らされたってこと?」
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コワすぎ!!
怖いっていうか、うんお幸せに
泣きそう
泣けるねー