葬儀も終わり、父の部屋の遺品整理をしていたときだった。
押し入れのダンボールから古い写真が出てきた。
若い頃の父と母、そしてもう1人見覚えのある女がいた。
あの和服を着た女だ。首が無かったので顔はわからなかったがあれと同じ和服を着ているので間違いない。
俺は横にいた母へこれは誰なのか質問する。
母曰く、父と母の幼馴染でAという名前だということ。
高校を卒業するまでずっと3人で遊んでいたらしいが進学をしてからは忙しく、3人で遊ぶことは減ったこと。
進学先が一緒だった父と母はそのまま付き合い、結婚に至ったそうでこれはその報告を兼ねて3人で会った最後の写真だということ。
この写真を撮った数日後に彼女は亡くなったこと。
「もう私しか残ってないけどお父さんとAが天国で見守ってくれてるといいわね」
そう言って母は笑っていた。
だが俺は背筋が凍りついた。
見守ってくれている?
そんなはずはない。
父は連れていかれてしまったのだ。
昨晩、あの女は俺の耳元で延々と呟いていたのだから。
「次はお前」と。
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今度はこの主人公が連れて行かれてしまうのか
最初の「今のところ、俺は無事です。」ってそういうことか