しかし、なぜか上っても上っても、入口に着かないのです。
私はとても焦り、ドキドキしていました。
「迷子になってしまった」「怒られる」
そんなふうに思っていました。
降りるときは螺旋状の階段一本道だったのに、上に戻るときは、
平らな通路があったり、また少し下ったり、
まるで迷路のようにひたすら道が続いているんです。
私は泣いていました。「もう戻れないのかも」と。
途中、走ったりもしていましたが、疲れた私は、
歩きながらひたすら上がったり下ったり。
途中に分かれ道もなく、ひたすら一本道。
どのくらいの時間がたったのでしょうか。10分、20分?
夏だったのでしょうか。とても暑く、汗だくになりながら、
大声で母を呼びながら歩き続けていました。
しばらく下り階段が続くと、また先ほどと同じような空間に着きました。
しかし、先ほどと違うのは、今度はその空間に人形が立っているのです。
赤い着物を着た、おかっぱ頭で真っ白な顔をした市松人形。
そのような人形を初めて見た私は、
「なんだろう、この人形」と思い、
この話は怖かったですか?
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