その子を知るきっかけ

スパチャとはスーパーチャットの略でお金を払うことで特別なメッセージを送ることができるのだ

これで彼女の活動を直接応援できる

俺はこの子に何度もスパチャを送った

これをすることで自分が送ったコメントを彼女が読み上げてくれるのだ
 
「あっ。○○さんスパチャありがとうございます!
『今日も素敵な声に癒されています！』
ありがとうございます！　○○さんいつもスパチャしてくれてありがとうです」

こんな風に自分に向けて感謝の言葉を投げてくれる
それがとてもうれしかった

俺はこれに毎回1万円くらいかけている

別にスパチャを送るだけならもっと安くできるのだが、出来るだけ俺は高額を送っている

どうせ一人身になって家族もいない俺だ
もう先も長くはない

どんなことに金をかけようと俺の勝手だ
 
そんなかんじでその子の配信を見ることが生活のメインになっていた

仕事はこの前辞めた
これで心置きなく配信を見ることができる

彼女の配信があるときは必ずリアルタイムで見て、ないときは何度も彼女の動画を再生した

「幽霊さんに出会った時は基本的に無視してください。私も見つけても遠巻きに観察するくらいしかしてません。自分が見えていると気づかれると構って欲しくてどんどん寄ってきてしまうんです。怖いですね。でも、これは仕方ないんです。幽霊さんからしたら、周りに人がいるのにずっと無視されている状態なんです。そんなときに自分に気づいてくれる人が現れたら誰だってすがっちゃいます。だから、憐れみを持たないで無視してあげてください。それがお互いのためです」

なるほど
確かに霊からしたらそう思ってしまうか

しかし、それでもずっと寄ってくるならどうしたらいい？

俺はスパチャを送った

それでもこっちによってきてしまう場合はどうしたらいいですか

「スパチャありがとうございます！　そうですね。そういうときもありますね。それでも無視してください。そこまでしても寄ってくるとしたらかなり強い執念があります。構ってしまったらかなり大変です」

なるほど
わかった

そんな感じで毎日楽しんでいたのだが、ここ最近、彼女の配信頻度が少なくなった